下の歯が見えない?「過蓋咬合」の悩みと審美歯科での解決法
「イーッ」と口を横に開いて笑った時、ご自身の下の前歯がほとんど見えない、ということはありませんか?
それは「過蓋咬合(かがいこうごう)」、一般的に「ディープバイト」や「深い噛み合わせ」とも呼ばれる歯並びの状態かもしれません。上の前歯が下の前歯に深く覆いかぶさっているこの状態は、単に見た目の問題だけでなく、お口や全身の健康に様々な影響を及ぼすことがあります。
この記事では、過蓋咬合の原因とリスク、そして審美歯科における治療アプローチについて詳しく解説します。
「過蓋咬合」とは?セルフチェックしてみよう
過蓋咬合とは、噛み合わせた時に、上の前歯が下の前歯を覆う垂直的な被りが正常(2〜3mm程度)よりもずっと深い状態を指します。
以下の項目に当てはまるものがあれば、過蓋咬合の可能性があります。
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笑った時に下の前歯がほとんど見えない。
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噛み合わせると、下の前歯の先端が上の前歯の裏側の歯茎に当たる、またはその近くにくる。
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奥歯でしっかり噛んでいるつもりでも、顎が疲れやすい。
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下の前歯が上の前歯に突き上げられて、出っ歯気味に見える。
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下唇が上向きに押し上げられ、顎に梅干しのようなシワができることがある。
見た目だけじゃない!過蓋咬合が引き起こすトラブル
過蓋咬合を放置すると、以下のような様々な問題を引き起こす可能性があります。
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歯へのダメージ: 下の前歯が上の前歯の裏側に常に突き上げるように当たるため、前歯がすり減りやすくなります。逆に、下の前歯が上の歯茎を傷つけ、炎症を起こすこともあります。
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顎関節への負担: 深い噛み合わせは、顎の自由な動きを妨げます。これにより顎関節に過度な負担がかかり、顎の痛みや「カクカク」という音が鳴る顎関節症の原因となることがあります。
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顔貌への影響: 噛み合わせが低いことで、顔の下半分が短く見えたり、エラが張って見えたりと、お顔全体のバランスに影響を与えることがあります。
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詰め物・被せ物が取れやすい: 奥歯にかかる力が強くなりすぎたり、前歯に予期せぬ強い力がかかったりすることで、治療した詰め物や被せ物が破損したり、取れやすくなったりします。
審美歯科で解決!過蓋咬合の治療アプローチ
過蓋咬合の治療は、原因や患者様のご希望に応じて、様々な方法があります。
1. 矯正治療
最も根本的な治療法は、歯を動かして噛み合わせそのものを改善する矯正治療です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって、歯を正しい位置に移動させ、適切な高さの噛み合わせを作ります。治療期間はかかりますが、ご自身の歯を活かした最も健康的で安定した治療法です。
2. セラミック治療
歯の形や大きさを整えるセラミックの被せ物を使って、噛み合わせの高さを調整する方法です。特に、すり減ってしまった歯の形を回復させたり、歯の色も同時に白く美しくしたい場合に有効です。 短期間で見た目を大きく改善できますが、適応できるケースは限られます。多くの場合、後述する矯正治療と組み合わせることで、より理想的な結果が得られます。
3. コンビネーション治療(矯正治療+セラミック治療)
矯正治療で歯を大まかに正しい位置に動かした後、最終的な歯の形や大きさ、そして噛み合わせの微調整をセラミック治療で行う方法です。それぞれの治療の利点を組み合わせることで、機能的にも審美的にも、最も完成度の高い口元を実現することができます。
あなたに合った治療法で、自信の持てる笑顔と健康を
過蓋咬合は、見た目のコンプレックスだけでなく、大切な歯や顎の健康を損なうリスクをはらんでいます。しかし、適切な治療を受けることで、そのお悩みは解決できます。
「自分の場合はどの治療がいいの?」「期間や費用は?」など、気になることがあれば、どうぞお一人で悩まずに、まずは専門家にご相談ください。精密な検査とカウンセリングで、あなたに最適な治療プランをご提案いたします。