【歯科医師が解説】C4とは?歯のSOSサインを見逃さないで!

皆さん、こんにちは! 新宿きらきら歯科です。
「C4」という言葉を聞いたことがありますか?これは、虫歯の進行度を表す言葉で、最も深刻な状態を指します。歯からの最後のSOSサインとも言えるこの状態、放置すると様々なリスクが伴います。
今回は、この「C4」がどのような状態なのか、そしてどのような治療が必要になるのかを、皆さんに分かりやすくお伝えしたいと思います。
虫歯の最終段階「C4」とはどんな状態?
虫歯は、その進行度によってC0からC4までの段階に分けられます。
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C0: ごく初期の虫歯。歯の表面が白く濁る程度。
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C1: エナメル質が溶け始めた虫歯。まだ痛みはほとんどありません。
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C2: 象牙質まで進行した虫歯。冷たいものや甘いものがしみるようになります。
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C3: 神経(歯髄)まで達した虫歯。何もしなくてもズキズキと激しく痛みます。
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C4: 歯の頭の部分(歯冠)がほとんど溶けてなくなり、歯の根っこだけが残ってしまった状態です。これを専門的には「残根状態(ざんこんじょうたい)」と呼びます。
C4の具体的な特徴は以下の通りです。
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歯の形がほとんどない: 鏡で見ると、歯ぐきから黒っぽい根っこだけが見える状態です。
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痛みがなくなることがある: C3の段階で激しく痛んだ神経が死んでしまうため、一時的に痛みが消えることがあります。「痛くなくなったから治った」と勘違いして放置してしまう方が非常に多いのですが、これは大きな間違いです。
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再び激しい痛みや腫れが起こる: 死んだ神経が腐敗し、根の先の骨の中に膿の袋を作ることがあります。この膿が溜まると、再び激しい痛みが出たり、歯ぐきや顔が腫れたりします。
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強い口臭: 食べかすが詰まりやすく、細菌が繁殖するため、強い口臭の原因となります。
C4の治療法は?
残念ながら、C4まで進行してしまった歯を残すことは非常に困難です。多くの場合、抜歯(歯を抜くこと)が第一選択となります。
歯の根の状態が非常に良く、特殊な治療(エクストリュージョン法など)が可能なごく限られたケースでは歯を残せる可能性もゼロではありませんが、治療は複雑になり、期間も費用もかかります。
抜歯になった後の治療選択肢
歯を抜いた後は、その部分を補う治療が必要です。主な選択肢は以下の3つです。
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ブリッジ: 両隣の健康な歯を土台にして、橋をかけるように人工の歯を被せます。
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入れ歯(義歯): 取り外し可能な人工の歯です。部分入れ歯と総入れ歯があります。
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インプラント: 顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。
どの治療法にもメリット・デメリットがありますので、患者さんのお口の状態やご希望に合わせて、最適な方法を一緒に考えていきましょう。
C4を放置する、本当の怖さ
「痛くないから」「歯医者が怖いから」とC4の状態を放置すると、お口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。
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感染が全身へ: 歯の根の先に溜まった細菌が血管を通って全身に広がり、心臓病や糖尿病などの全身疾患を悪化させるリスクがあります。
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顎の骨が溶ける: 感染が顎の骨(歯槽骨)に広がると、骨が溶かされてしまい、将来的にインプラントや入れ歯の治療が難しくなることがあります。
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抜歯自体が困難に: 歯ぐきに埋もれてしまった根っこを抜くのは、通常の抜歯よりも難しく、手術が必要になる場合もあります。
まとめ:早期発見・早期治療が何よりも大切です
C4は、虫歯を長い間放置した結果の姿です。ここまで進行すると、治療の選択肢は非常に限られ、最終的には大切な歯を失うことにつながります。
この記事を読んで、「もしかして…」と心当たりのある方は、決して放置せず、すぐに歯科医院を受診してください。痛みがないからといって、問題がないわけではありません。
そして、何よりも大切なのは、C4になる前に虫歯を治療すること、さらには虫歯にならないように予防することです。
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毎日の丁寧な歯磨き
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歯科医院での定期検診
この2つを習慣にすることで、お口の健康を守ることができます。歯は一生付き合っていく、かけがえのないパートナーです。ぜひ大切にしてあげてくださいね。
何かご不安なこと、ご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。